会社の歴史

「高岡銅器」のはじまりは約400年前の慶長16(1611)年にさかのぼります。江戸時代後期には寺院の梵鐘や大型の灯籠、花瓶などの製造で全国に販路を広げました。現在でも銅器の販売額が全国シェア9割を超えており、高岡の伝統産業になっています。
本ページでは、まもなく創業90年を迎える瀬尾製作所の歩みを、1938年の創業当時から現在に至るまで、高岡の歴史や社会の動き、鋳物・仏具に関わる出来事とともにご紹介します。時代の変化の中で、ものづくりの現場はどのようにかたちを変えてきたのでしょうか。

瀬尾製作所のはじまり

1938年、高岡市白銀後町(しろがねごちょう)で瀬尾治七(初代)が鋳物の花瓶の底板などをつくるようになったのが瀬尾製作所の創業とされています。戦中・戦後の混乱の中でも、ものづくりの体制を少しずつ整え、やがて高度経済成長期の波に乗ります。高岡銅器の生産量の増加とともに工場を移転・拡大し、さまざまな製品を製造するようになりました。

  • 銅器(仏具)業界の動き/高岡のできごと
  • 瀬尾製作所の歴史

1609年 慶長14年

前田利長 高岡町をひらく

1611年 慶長16年

前田利長が金屋町に鋳物師を集める

前田利長が金屋町に鋳物師を集める

高岡銅器の歴史は、慶長16年に加賀藩二代藩主前田利長が金屋町(かなやまち)に鋳物師(いもじ)を呼び寄せたことにはじまる。当初は鍋、釜、農機具などの鉄鋳物が主体であったが、しだいに銅製の美術工芸品製造へと発展していった。

1751年 宝暦元年

高岡で仏具師による仏具製造が盛んになる

1841年 天保12年

高岡大仏創建(木造)

1871年 明治4年

廃藩置県により富山県となる

1898年 明治31年

中越鉄道高岡駅開業

1933年 昭和8年

高岡大仏再建

高岡大仏再建

日本三大大仏にも数えられる高岡大仏は現在のものが三代目。初代は延享2(1745)年、二代目は天保12(1841)年に木造の大仏として創建されたが、いずれも火事で焼失した。現在の大仏は昭和8年に再建された銅製。

1938年 昭和13年

瀬尾製作所創業

瀬尾製作所創業

瀬尾治七(初代)、白金後町で瀬尾製作所創業。鋳物の花瓶の底板などを製造する。

1941年 昭和16年

太平洋戦争

1947年 昭和22年

戦前に盛んだった神仏具・梵鐘・火鉢の生産が復活し、高岡鋳物産業の再興が進む

1950年 昭和25年

瀬尾良作(二代)、社長就任
白金町(しろがねまち)に工場を設ける

瀬尾良作(二代)、社長就任 白金町(しろがねまち)に工場を設ける

1956年 昭和31年

浜田町(現・博労本町)に工場を設ける

浜田町(現・博労本町)に工場を設ける

写真は当時の浜田町の自宅兼工場の前で撮った、「七夕まつり」の様子。軒先に竹飾りを出して子ども(特に長男)の成長を願う風習は、明治時代に高岡を中心に広まったとされる。

1964年 昭和39年

東京オリンピックの聖火リレーが高岡市内を走る

東京オリンピックの聖火リレーが高岡市内を走る

昭和39(1964)年のオリンピック東京大会の聖火リレーが、10月1日正午過ぎに高岡市内を通過した。多くの町民が歓迎する中、走者に選ばれた38名が国道8号を富山方面へ向かって走り抜けた。

1965年 昭和40年

扇町(羽広)に工場を設ける

1966年 昭和41年

羽広工場の業務拡大、海外輸出も始める

1970年 昭和45年

大阪で日本万国博覧会(万博)が開催される

1973年 昭和48年

瀬尾商事株式会社設立

1975年 昭和50年

出来田に工場を増設する

出来田に工場を増設する

1975年 昭和50年

高岡銅器が国の伝統的工芸品に指定される

技術に磨きをかけた時代

1975年、高岡銅器が国の伝統的工芸品に指定されると、瀬尾製作所のものづくりの技術はいっそう評価されるようになります。1978年には戸出工場を建設し、現在の本社社屋の原型ができあがりました。このころ県内外の民間建築や公共施設内の装飾物の製作依頼が多く入りました。90年代に入ると、最新の加工機械を積極的に導入するなど、いち早く将来を見据えた取り組みをはじめました。

  • 銅器(仏具)業界の動き/高岡のできごと
  • 瀬尾製作所の歴史

1976年 昭和51年

高岡市戸出に高岡銅器団地を造成

高岡市戸出に高岡銅器団地を造成

高岡市の市街地で事業を行っていた事業者が、騒音や公害の問題を解決するために、田園風景が広がる高岡市戸出栄町に集団移転し、設備や工場の近代化を図った。

1978年 昭和53年

戸出(現、戸出栄町)に工場を設ける

1981年 昭和56年

瀬尾良信(三代)社長就任

瀬尾良信(三代)社長就任

1983年 昭和58年

旧函館区公会堂(重要文化財)のシャンデリア製作

旧函館区公会堂(重要文化財)のシャンデリア製作

1987年 昭和62年

戸出工場を拡大し、現在の社屋完成
金型の内製化を積極的に進める。

戸出工場を拡大し、現在の社屋完成 金型の内製化を積極的に進める。

1989年 昭和64年

昭和天皇崩御。平成に改元
高岡市制100周年

1991年 平成3年

高岡市の仏具関連業界売上ピーク(374億円)
バブル崩壊

1992年 平成4年

多工程油圧プレス、放電加工ワイヤーカット、NC旋盤など、数値制御機械を積極的に導入する。

1993年 平成5年

函館ハリストス正教会(重要文化財)の
シャンデリア、門扉等製作

1995年 平成7年

阪神・淡路大震災

挑戦を続けるものづくり

2008年、瀬尾製作所は株式会社として法人化されました。この年に起きたリーマンショックの影響から社会経済が停滞する中でも、試行錯誤を止めることはありませんでした。そこから生まれたのが、仏具ブランド『Sotto』です。2018年には自社製品「Paddle」がグッドデザイン賞を受賞し、販路拡大につながりました。これからも瀬尾製作所のものづくりは歩みを止めることなく、次の時代を切り拓いていきます。

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  • 瀬尾製作所の歴史

2000年 平成12年

「瑞龍寺」本堂・法堂が国宝指定

2007年 平成19年

瀬尾製作所株式会社を設立

瀬尾製作所株式会社を設立

それまで製造は瀬尾製作所、販売は瀬尾商事が担っていたが、経営効率化を図るため、両社を統合し、瀬尾製作所株式会社として法人化した。

2008年 平成20年

リーマンショック

2009年 平成21年

高岡開町400年を迎える

2014年 平成26年

特許権を初取得 特許第5581478号

2015年 平成27年

仏具ブランド「Sotto」を発表

仏具ブランド「Sotto」を発表

現代のライフスタイルに寄り添った供養や祈りの場を提案するブランド『Sotto』が誕生。既存商品の「Cherin」や「Potterin」に共通するコンセプトを抽出し、統一したブランドとして発信をはじめる。

Potterinでグッドデザイン賞を初受賞

Potterinでグッドデザイン賞を初受賞

花立、火立、香炉、おりんという4つの祈りの基本セットをひとつにまとめた『Potterin』が、瀬尾製作所として初めてグッドデザイン賞を受賞した。

2015年 平成27年

北陸新幹線(長野-金沢間)開業、新高岡駅開業

北陸新幹線(長野-金沢間)開業、新高岡駅開業

2016年 平成28年

コープ共済プラザへ鎖樋を720本納品

コープ共済プラザへ鎖樋を720本納品

日本生活協同組合連合会が所有するオフィスビル、コープ共済プラザ(設計:㈱日建設計)へ特注仕様の鎖樋『Toh』をファサードとして設置。当社製の鎖樋がオフィスビルへ大規模にファサードとして用いられた初めての事例となった。

2016年 平成28年

高岡御車山祭がユネスコ無形文化遺産として正式登録

高岡御車山祭がユネスコ無形文化遺産として正式登録
(C)高岡観光ナビ

2018年 平成30年

瀬尾良輔(四代)社長就任

瀬尾良輔(四代)社長就任

自社製品のPaddleがグッドデザイン賞を受賞

自社製品のPaddleがグッドデザイン賞を受賞

従来のおりんのイメージを刷新する『Paddle』が、グッドデザイン賞を受賞。りん棒の置台部分にガラスを用いるなど、異素材を組み合わせたデザインが評価された。

2019年 令和元年

東京都新宿区にショールームを開設

東京都新宿区にショールームを開設

自社ブランド『Sotto』と『SEO RAIN CHAIN』の商品を実際に見たいという声が増えてきたことや、2020年東京オリンピックに向けて海外からの来訪者が増えると見込まれたことから、東京・新宿に無人型ショールームを設置した。

2019年 令和元年

令和に改元

2020年 令和2年

「2020年度版中小企業白書」に事例として掲載

「2020年度版中小企業白書」に事例として掲載

OEM受注型から自社ブランドの確立へと転換した事例として、瀬尾製作所の取り組みが『中小企業白書』に掲載された(第2部第3章事例2-3-4、P.447)。

2022年 令和5年

㈱日建設計と共同で脱炭素指向ファサード
「Envi-lope01」を開発

㈱日建設計と共同で脱炭素指向ファサード 「Envi-lope01」を開発

「Envi-lope01」は、脱炭素社会の実現を目指し、中小規模ビルへの設置を想定した外装で、 製造時の二酸化炭素排出量を大幅に削減し、現代の建築に求められる環境性能の確保と向上を目的としたもの。2022年、東京都千代田区神田神保町のオフィスビルに納品・実装された。

2024年 令和6年

「2023年度 はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定

経済産業省・中小企業庁が主催する「2023年度 はばたく中小企業・小規模事業者300社」に瀬尾製作所が選定される。製品開発を通じて新たな顧客を開拓し、生産性の向上が評価された。

本社にショールームを設置

本社にショールームを設置

築50年の事務所を刷新し、新たにショールームを設置。本社ショールームには鎖樋に水を流せる設備を整備したほか、各種商品を実際に手に取ることもできる。

90年の歴史とともに

2028年、瀬尾製作所は創業90年の節目を迎えます。歴史ある高岡のまちに根を下ろし、今日までものづくりに携わってこられたのも、長きにわたり支えてくださったみなさまのおかげです。感謝の気持ちを忘れず、進取の気風と、時代に寄り添うものづくりを大切に、私たちはこれからも歩みを重ねてまいります。