ジャーナルJournal

2025年の研修旅行

先日、6月12日(木)から13日(金)の1泊2日で、社員一同で福島県と新潟県へ企業研修に行ってきました。今回の研修の目的は、オリジナルブランドを製造し、ショールームを持つ先進的な企業を訪問し、その取り組みを全員で見学・体験することでした。

 

研修初日に訪れたのは、福島県の株式会社保志さんです。仏壇メーカーとして業界トップクラスの知名度とシェアを持ち、おりんなどの比較的近い製品を作る私たちとしては、以前からぜひ訪問してみたいと思っていた会社さんでした。現場は塗りや組み立てといった工程ごとにきれいに区分けされ、整理整頓も行き届いています。洗練されたショールーム、歴史を感じさせる材木置き場、そして市内にひときわ目立つ素敵な店舗。瀬尾製作所と比較すると「ずっと先に進まれている」と感じました。なかなか追いつけないレベルではありますが、今後の改善を進める上で、多くの大切な気づきをいただくことができました。

 

初日の夜は近くの東山温泉に宿泊、夕食会などで夜は少しゆっくりさせてもらいました。翌日は朝食も早めに食べて次の目的地の新潟県に向かいました。新潟の燕市や三条市は昔から金属加工が盛んな地域で、ものづくりの技術を持った上にブランディングも素晴らしい企業が数多くあり、この地域もみんなと訪れてみたいと思っていた場所です。

 

まず1社目は、燕市にある玉川堂さんです。1816年(文化13年)創業という200年以上の歴史を持つ鎚起銅器のメーカーで、一枚の銅板を叩き起こして器を作る伝統技術は、新潟県指定無形文化財、文化庁選択無形文化財にも認定され、人間国宝も輩出されています。

 

 

2社目は、武田金型製作所さん。1978年創業のプレス金型メーカーで、自動車部品や家電製品などの金型を手掛けています。他社では難しい高精度な金型製作技術には定評があり、その技術力を生かして作られた「マジックメタル」はTVでも取り上げられて、SNSでも話題になっていました。

 

お昼は、燕市の名物である釜めしをみんなで美味しくいただきました。

 

午後の3社目は、1953年創業の刃物メーカー、藤次郎株式会社さんです。農機具部品からスタートし、今では包丁を中心に調理用品や特殊刃物を製造されています。創業以来「切れ味」を追求し続け、伝統技術と先進技術を融合させた一貫生産体制で高品質な製品を生み出されています。オープンファクトリーも工場内に専用に見学コースが作られて積極的に展開されていました。

 

最後の4社目は、少し移動して三条市の諏訪田製作所さんです。大正15年(1926年)創業の刃物メーカーで、ニッパーの前身である「喰切(くいきり)」から始まり、今や「SUWADAつめ切り」は世界的にも有名です。職人さんの手による鍛造から仕上げまで一貫した生産にもこだわられていました。こちらもオープンファクトリーを積極的に行っているのが印象的でした。

 

13日に回った新潟の4社は営業日の工房、工場を公開していて、予約をすれば製造現場の見学をさせてくれます。従来の製造業では考えられないくらいのオープンさで、自分たちのものづくりの工程をしっかりと見せること自体が製品価値を高めるブランディングにつながる、という考えを持たれていることを強く感じました。見学後にすぐに製品を購入できるショップがあるというところも強みですね。職人さんたちが一生懸命にものづくりされる現場を見ると、つい欲しくなって買ってしまいました。

 

瀬尾製作所の現状は年に何回か開催する定期的なイベントを通じて工場見学会がある程度で、今のところはそれで精一杯です。わたしたちの主力製品は日用品ではなく、すぐに買って使うようなものではないので、同じ見せ方が良いのかは少し考えなければいけません。

ただ、今回見学させていただいた企業は、ものづくりの見せ方が素晴らしいこと、そしてオープンファクトリーに対する覚悟や想いを感じることができました。

 

全員での貴重な見学会、みんな感じることは人それぞれだとは思いますが、各々の役割の中で新たな気づきや今後に活かせる体験ができていれば嬉しいです。