ジャーナルJournal

淺沼組名古屋支店の見学

淺沼組名古屋支店

正面前景、ファサードと緑が象徴的

 

淺沼組名古屋支店さんは瀬尾製作所の鎖樋を活用いただいたビルで、近くの富山デザインセンターでも建築家の川島範久さんがこの建築をテーマに講演されて拝聴したこともあり、ぜひ一度拝見したく思っていたのですが、ようやく機会が巡り先日、見学に伺うことができました。

 

竣工はコロナ禍の2021年9月、鎖樋はだいたい建物の完成が見えてくるころに詳しく相談があることが多く、この作品も2021年2月前後の雪がひどい時に淺沼組のご担当の方々が名古屋からご来社されて、マスクをしながら膝を突き合わせてくわしく打合せしたのを覚えています。なつかしい。

 

ファサードの主役として吉野杉の丸太、将来の再利用も見越し、建物の象徴的なもの

 

 

この建築はスクラップ&ビルドからの脱却、循環型社会の構築という21世紀の大きな課題に清々しいほど真正面から向き合っていて、結局はコストの問題になっていくけれども、同じような建物のライフサイクルである数十年のスパンでリユース、さらに次世代に受け継いでいくことは実現可能で、これから寿命を迎える世の中の多くのビルは同じように素晴らしい建物に生まれ変わらせることができることを強く示唆しています。

 

社員や関係者の方々が土を投げてランダムな雰囲気を残した壁面

 

日本の大都市にある無数のビル群は、スクラップ&ビルドを避けていつかイタリアで見たそこかしこにある築何百年の建物のように、何世代にも渡って使っていく未来が訪れるのだろうか。

当社もショールームとして一部借りている新宿のパークタワーも再構築される未来があるのだろうか。

 

アップサイクルした机

 

新築の建物に入る時のわくわくするあの感覚が、築30年から再構築した建物にもしっかりとあることに未来の建築への希望を感じた訪問でした。

このような作品に少しでも関わることができて、とても光栄に思います。ありがとうございました。

 

鎖樋

当社の鎖樋、筒の銅モデル(ワイヤー仕様)既に緑生が出ている